続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

アディオス、娘氏

それなりに近くて、ずっと憧れていたのになかなか縁がなかった千葉の房総に、やっと行くことができた。

夏の終わりに高校を辞めた娘氏が、農園に住み込みでパーマカルチャーを学ぶことになった。

せっかくなのでと家族旅行をからめて送り届けてきたというわけ。

 

初めて直接お会いしたオーナーのKさんは、柔和で、でも一本筋の通った迫力を感じさせる人だった。パートナーのMさんもやっぱりどーんとそこにいる感じがあった。お二人とも自然で穏やかな笑顔が印象的。

私はもう完全に安心して預けられると感じた。

色々あるめんどくさい娘氏を温かく受け入れてくださる今回のご縁には感謝しかない。

これから娘氏は、こういう人たちの側で自分の力で生きて行く技術を学んで行くのだなと思うと、嬉しくてじーんと胸が熱くなった。

ようやく私たちの手元を離れて次のステージに進んだ、という気持ち。

高校入学の時には全然そんな広々とした感覚はなく、もっと暫定的で、他に選択肢がないからという気持ちだったけど。

彼女はこれからどんどん他者に自分を開き、いろんな影響を受けて変わっていくんだろう。どんどん遠くへ飛んでいけ。

 

どこでも好きに見てっていいですよ〜と言われたので、森のような入り組んだ農園をぐるりと一周見て回る。

極力人間の手を入れない、自然と地続きのかなり広い空間。愛らしい手描きのプレートがあちこちにあってほっこりする。

樹齢100年くらいありそうな大木があちこちに生えていて、森に包まれるようにして建っているお寺のように大きな古民家を、彼らはリノベーションしながら暮らしている。

すごく良い気が流れていた。

そしてなかなかにハードコアかつワイルドなスペースであった。

「これは・・・、やることはいくらでもあるね!」と夫と感心しつつ言い合った。

体を動かしてつくること、そのようにして暮らすことと生きることがまさにイコールの場所だった。

めんどくさく不便なこともあるだろうけれど、なんというシンプルさだろう。

人はこういう風に生きることだってできるのだ、と改めて思ったことだった。

でも、生易しいものでもないってこともびしびし伝わるワイルドさ(笑)。

音をあげてしまう可能性もなくはない。

頑張れよ〜〜〜、と心の中でエールを送りつつ笑顔で帰途につく。

次会った時に娘氏はどう変わっているのだろう。若いっていいな。