続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「リコリス・ピザ」

2021年アメリカ/原題:Licorice Pizza/監督:ポール・トーマス・アンダーソン/134分/2022年7月1日〜公開

 

基本、PTAの作品は全部気になるし、中でも「パンチドランク・ラブ」は大好きな一作だし、加えて主演があのフィリップ・シーモア・ホフマンの息子だということで、これは見なけりゃと思っていた。

彼に限らず、成功を収めた映画監督は「自分にとっての青春、あの特別な時代、あの時の自分の目に見えていた世界」というようなものを克明に映像化してみたくなるものなんだろうなと思う。

その気持ちはよく分かる。誰しももできることならやってみたいことだと思うから。

相当PTA個人の実話ベースの物語みたいだが、単なるノスタルジーというレベルではもちろんなくって、彼の映画らしく、へんちくりんな濃ゆい人々が、独特の熱量でもって、あんまり理解も共感もできないことにそれぞれ迷いなく邁進しているさまがやっぱり好きとしか言いようがなかった。

舞台となった70年代のLAの再現ぶり、美術や音楽はもちろん、あの頃の生きていた人たちのフィーリングがすごく可愛らしくて見ていてにっこりした。

今ってやっぱりちょっと世知辛いよな。人間てこれくらい適当でもいいよなー。

素人を起用する一方で、ブラッドリー・クーパーショーン・ペンが時代ならではの独特の変人を演じていたりして、心憎い演出にさーすがーと思う。

とはいえ、他の作品と比べると気軽でパーソナルな作品であることは明らか。あえてなんだろうけど、放りっぱなしで回収しないエピソードがいくつもあったりして、コラージュみたいな作品でもある。気楽に楽しく見た。

次作あたりでそろそろまた「マグノリア」みたいな大柄な作品を見せて欲しいな、とファンとしては期待している。

 

それにしても、「リコリス・ピザ」がどうしてタイトルなのか、最後まで見ても分からんかった。