続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

一夜明けて。

昨夜は深夜まで嘆息しつつ見るともなく開票速報を眺めていた。

もう自民党の圧勝は見飽きたよ〜勘弁してよ〜と思いつつ、何人かの大事な人たちの当選を喜ぶ。

すごいなあ、25年以上国民の所得を減らし続ける政党に、こんなに多くの人が諸手を挙げて賛成する国に自分は住んでいるのだなあと思う。

 

寝不足もあって今はまだうまくものが考えられないが、今回の選挙を通して特に強い印象を残したことふたつについて触れておく。

一つには、新聞、テレビのニュースメディアに対する信頼感が自分の中でゼロに近いものになったこと。

改憲のことなどひとつも言及しなかったニュースが、開票速報と同時に「改憲発議に届く2/3の議席まであと〇人です!」とひとことめに言っていた。国民に対しての裏切りと言って良いレベルだなと思った。

元首相が亡くなったことへの配慮も相まって、与党への厳しい追求もほとんど聞かれなかった。政権とメディアは見事なチームプレーを成功させた。そう見えることを隠しもしない段階に入ったのだな、と思う。

どのメディアも政権から不要な怒りを買わぬよう注意深く振る舞っており、権力に対して極めて従順でお行儀が良かった。報道する者としての矜持や、この状況に対する深い危機感を持っていると感じられる人はほぼ見当たらなかった。

コロナ禍以降すでにそう思っていたけれど、日本の大メディアは信頼に足るニュースソースとしての役割は完全に失ったんだなと改めて認識した。

テレビや新聞は、今後ますます視聴者や購読者を減らし続け、政府や企業からのスポンサードで生きながらえていくことになり、当然、政府や企業の広報、プロパガンダ機関という役割に堕していくのだろうと思う。

見る価値ないというより、見てはいけないものになっていく。

 

もう一つは、与党が複数の新興、カルト宗教と強く結託していることが、こんなにも確かな支持基盤の背景にあるのだということを遅まきながら改めて実感したこと。

安倍元首相と統一教会との関係に完全に沈黙しているメディア、逆に怖い。逆にSNSでは統一教会のイベントでスピーチをする安倍元首相の動画が堂々と拡散され続けている。

なるほど、宗教か。

多かれ少なかれあらゆる宗教は思考停止の装置だから、一旦宗教を政治に取り込んでしまえば従順な羊さんの票を大量ゲットできる。

彼らはものごとの是々非々、やっていることの中身は問わずに、お布施をするみたいに忠実に支持政党に力を与えてくれる。

とりわけカルト宗教は、限界までお金を巻き上げるシステムと共にあるものなので、カルトと結託した政党には潤沢な資金源も保証される。

なんだかなあ、フィクションよりも現実がこんなにやばい、おぞましいってなんなん。

げんなりするような現実をまたひとつ見せられた夜であった。

 

まだ実感は薄いが、これから3年間、いろいろ良くないことが起こるんだろうなと思う。心づもりしておかなくちゃいけないな。

与党はこの選挙の勝利をもって、消費税を含む増税社会保障の切り下げ、軍国化、改憲に人々が賛成したものと見なすだろう。

だから、国全体としては暮らしは苦しいまま、というかもっと苦しくなっていくだろうし、社会の非寛容さや自己責任の空気も蔓延し続けるだろう。

 

それでも、明るくしぶとくやるべきことをやっていくよ、とまっすぐ顔を上げている人たちの存在に励まされている。

市民としての失望感は抱えながらも、私自身の日々は意地でも機嫌良く、周囲の人と仲良くやっていく所存。

 

今日は春にバンコクから7年ぶりに帰国した弟が、末っ子に会いたいと出張に絡めて名古屋からはるばる会いに来てくれた。

これまであんまり親しい関係じゃなかったので、ちょっと驚いた。

でも久しぶりという感じもなかったと同時に、以前より随分穏やかに朗らかに話せるようになっていて、年を取ったことの良さも感じた時間だった。嬉しかったな。