続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

参院選について① 改憲のこと

選挙期間に入り、投票まであと10日あまりになっているけれども、信じられないくらい静かだ。この静けさがとても怖い。

 

すでに衆議院での与党(自民、公明)と維新、国民民主という実質与党で名ばかりの野党の議席数は2/3を超えていて、今回の選挙で、もし参議院でも2/3以上の議席、具体的には165議席を与党勢力が取ってしまったら、必ず改憲が発議される。必ずだ。

数と金の力で改憲されてしまうかもしれない事態がほんとうに目の前に迫っている。

それがどれだけ怖ろしいことか。

マスコミは「争点は物価高」と繰り返す。違う、そうじゃない。この国を独裁化したい人々にとっては、今回の選挙はかつてない最大のチャンスなんだ。

それなのに、ほどんど誰もが全くと言っていいほどこのことについて語らず、ひたすら口をつぐんでいる。なんて怖い静けさなんだろう。

 

選挙前ですら、国民へのまともな再分配をしないと明言している与党が圧勝する予想が出ていることに絶望しそうになる。

彼らはこれからも、1%の富裕層のために99%の人々をこれからも搾り取れるだけ搾り取る、そのフリーハンドを得るために選挙後に改憲に進むことを明言しているというのに。

まさかやるとは思わない?いや、彼らは必ずやるだろう。

 

今回の選挙は、これからずっと後になって振り返った時に「ああ、あの時どうして国の運命がかかっていることを自覚して、みんなでもっと声を上げて力を合わせて、何としてでもみんなが投票に行くようにもっと頑張らなかったんだろう」と思う選挙になるだろう。

 

自民党が起草した改憲案は、現在の憲法と比すると、凄まじいレベルのバックラッシュだ。

微に入り細に入り全部が最悪な改悪だが、もっともありえない箇所をかいつまんで挙げただけでも、下記のことが改憲されることになる。自分自身いま一度確認するためにも、まとめて書いておく。

 

(前文)再び戦争が起こらないよう決意し、主権は国民にあることを宣言する →  削除

(9条)戦力を保持しない →  軍隊を持つ

(12条)国民は公共の福祉のために自由や権利を行使する →  国民の自由と権利には責任と義務が伴うことを自覚し、公益と公の秩序に反してはならない

(21条)表現の自由を保障する → 公益と公の秩序に反する表現は認められない

(36条)公務員による拷問や残虐な刑罰は絶対に禁止する →  絶対を削除

(97条)国民の基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である →  削除

(99条)全ての大臣、国会議員、裁判官、公務員は憲法を尊重し、遵守しなければならない →  国民はこの憲法を遵守しなければならない

 

そして、新設される98条の内容は、「総理大臣が緊急事態を宣言すれば法律と同じ効力を持つ政令を独自で制定でき、全ての人はこれに従わなくてはならない。尚、期間は無期限」というもの。

この内容は、ナチスドイツが独裁を築いた全権委任法と実質的に同じもの

 

デメリットしかない、というような言葉ではあまりに生ぬるい。書いていて吐き気がしてくるほど凄まじい内容だ。

だって、一人の人間として幸せに生きることを考える人にとっては誰ひとり決して受け入れられない、信じがたい内容なのだから。

どんな言い訳も正当化もこの内容のありえなさをカバーすることはない。

私たちが、自分の人生を守りたければ、誰もにできることは、選挙で彼らに「出ていけ!」を突きつけることだ。

 

今の与党+維新+国民民主の政治家たちは、個人の能力や人柄は様々だろうが、そんなことは全く関係がない。

実はいい人とか、経験豊富とか、そんなことも全く関係がない。

大事なことは、彼らが1%の富裕層に買収されて、99%の国民ではなく、自分の権力と富を保障してくれる富裕層の利益の代弁者組織であるということだ。それ以上でも以下でもない。

 

我こそ1%だと思う人以外は、自分はこの国における99%のなかの一人だと思うなら、どうか今回だけは選挙へ行き、与党と維新と国民民主の改憲を望む勢力以外の人に投票してほしいと願う。今回権利放棄したことは、誰もにとって必ず後悔につながるはず。

選挙は、諸手を挙げて応援できる人がいないことは多く、でも鼻をつまんでもひとつでもましな方に入れるもの。

 

どうせ変わらないなんてことは絶対にないことは、先日の杉並区長選挙でも明らかになったばかり。

市民の草の根運動でたった5%の投票率アップで、強力な地盤を持ち議会の多数派でもある自民公明の現職が敗れた。187票差だった。

今回当選した岸本聡子さんは、ヨーロッパで公共政策と自治体サービスの研究をしてきた人で、水道民営化について鋭く警鐘を鳴らしている人でもある。公共の富を自らの保身と引き換えに売り払う与党の現職政治家とは真反対の仕事をするはず。

投票率は統計的に5%で相当今の状況が打破できると言われていて、それを杉並が証明した形。

後ろ盾のない個人の票が増えるほどに組織票は相対的に確実に下がる。

組織票中心の自民と公明の支持は、実はたった20〜30%程度しかいない。

それでめちゃくちゃにやりたい放題になってしまっている。

皆がちゃんと選挙に行きさえすれば、この状況は相当変えられる。

 

釈迦に説法なことを書き連ねたが、どうかどうか、どなたさまも今回だけは選挙に行って、私たちの憲法を共に守ってほしい。なにとぞなにとぞ。

 

 

このサイト、自民党改憲案について、とても分かりやすく説明してあり素晴らしい。