続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「デッド・ドント・ダイ」

「デッド・ドント・ダイ」

デッド・ドント・ダイ - 作品 - Yahoo!映画 2019年スウェーデンアメリカ合作/原題:The Dead Don't Die/監督:ジム・ジャームッシュ/104分

 

ジム・ジャームッシュの豪華な同窓会みたいな映画は、愉快なゾンビ映画。終始ニヤニヤしながら楽しんで見た。

最初から最後までふざけてて、処理が雑である。ティルダ・スウィントンがおもむろにUFOに乗って宇宙の彼方に消えて行ったり。極め付けはアダム・ドライバーの「いや、だってジムにもらって台本読んでたから」というオチ。これはいくらひいき目に見てもちょっと禁じ手が過ぎるじゃろとは思った。そして最後全員死ぬし。

それでもジャームッシュ節全開のディテールや空気感が好き過ぎるから、結局自分的にはありありなんである。見ていてただウフフと嬉しい。

 

それにしても、ゾンビ映画ってどうしてこうも愛されるのだろう?

昔、インタビューで「生きがいはゾンビ映画を見ること」というインタビュイーがいた。どうしてそんなにゾンビが?ゾンビ映画の魅力とは?と尋ねてみたんだけど、いやあ、説明してもきっと分かんないすよ、と答えてもらえなかったことを思い出す。

インタビュー時はゾンビ映画の魅力なんて皆目見当もつかなかったけど、それを機にゾンビが妙に気になるようになって、色々見るようになった。「ファイナル・エクスプレス」など幾つかのお気に入りのゾンビ映画にも出会った。

本作もお気に入りゾンビ映画の一つになった。時々グロいが、イギー・ポップのコーヒー好きなゾンビとか、「wifi〜〜〜」と唱えながら町をさまようゾンビとか、妙に可愛い・・・

 

思うに、映画を見ていてわくわくするのは、自由を感じているということだから、制御不能なゾンビって、この窮屈なデジタル監視社会においては、しゃらくさいもの全部ぶっ飛ばしたある種の自由人なんだと思う。

人間が作り上げた社会をあっさり無効化するゾンビの大群を見ていると、なんだかせいせいとした気持ちになった。

我々は多分、あまりに小ぎれいで逸脱のない、世界中に張り巡らされた訳知り顔の秩序みたいなものに辟易しているのだ。