続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

コロナ禍のフランスへ

窓の外が暗くて、雨は降ったり止んだり。うっとおしい天気がかれこれ1週間続いている。昨日、商店街の笹飾りを見て「あ、七夕なんだな、かわいいな」と思ったけれど、我が家ではノーコメントで通り過ぎる。

 

太陽が出てないせいか、この一週間の赤ん坊の睡眠のサイクルは不規則で、昨日は夜中1時半にやっと就寝。夜中の授乳と早朝のお弁当作りがあるので、私は普段、赤ん坊が起きていてもだんなさんに任せて10時台には寝室に入ってしまうのだけど、昨夜は大泣きで目が覚め、よれよれの旦那さんから赤ん坊を受け取って寝かしつけをした。

ほどなくおっぱいで寝てくれたが、なぜか私が過呼吸みたいになってずっと息苦しさが止まらず、白湯を飲み、せんべいをかじりつつぼんやりテレビを見ながら3時半過ぎまで起きていた。

メリハリに欠ける日々が続くとしんどさが募るので、後で車でお出かけをしようと思う。

 

気がつけば、我が家の高3の息子氏がパリに発つまであと半月。スイス国境に近い湖畔の村で行われる音楽アカデミーに参加するため。その後もせっかくなのでしばらくフランスを一人旅する予定。 

実家の親には「ほんまに行くんか?心配やわー!」と驚かれた。本人にとっては2年越しの念願でもあり、とりあえず半年前に申し込みは済ませていた。

コロナで中止になるかなーと半分思って油断して何もせずにいたので、予定通り実施しますと連絡が来て、内心焦る。でも、コロナで大変に面倒だということはあるにせよ、今後もクラシック音楽を本気で続けるのなら、どこかのタイミングでヨーロッパに行っておかなくてはという認識は共有していた。

 

本人の頼りなさを差し引いてもコロナ禍でもあり、息子氏が全部自力で準備するのは厳しいので、私も先月からぼちぼちマネジャー業務にいそしんできた。

覚悟はしていたけど、コロナ禍ゆえの普通だったら要らない労力の多さにため息。ただし飛行機も宿も夏休みと思えぬほどガラガラに空いている。

また、フランスは今のところ、6月下旬からほぼ国内は通常運転になっており、夜間外出禁止も、マスク着用義務もなくなっている。

だから問題は主に、出入国時のコロナ対応だ。

EU各国ではもう、ワクチンパスポートがあれば相当スムースに動けるようになっているのだけど、それを持たない人はフランス入国時に72時間以内のPCR検査もしくは48時間以内の抗体検査の陰性証明書が必要。隔離期間が必要ないのはありがたいけれど。

 

日本国内での海外渡航用の事前のPCR検査は、受けられる場所も少く、驚くような高額だ。普通に3万円以上する。

西欧諸国では無料か良心的な値段でどこでも簡単に受けられるのが当たり前になっている。

 何より日本帰国時の水際対策が大変なことになりそう。

帰国時には、ホテルの3日間隔離とその後11日間の自宅自主隔離、誓約書を書かされたりあの悪名高い追跡アプリを強制的に入れさせられたりの煩雑な手続きの数々が待っている。公共交通機関も利用できないので、迎えも必要。

 

全く業腹である。厳しいのが嫌とかそういうことではなく、科学的根拠も一貫性もなく、保証はなく、罰則を伴う強制性だけは強い。

やるべきことと納得してやるのならともかく、「これ意味あるのかな」ということを強制されるのが苦痛なのだ。

だってオリパラ関係者は隔離なく即日通過で、電車やバスに乗るもの自由だなんてあまりにおかしい。全員に徹底しなければ、水際作戦が無意味なのは自明のことだ。

しかしこのことに限らず、今の政府のやることなすことは全方位的にあまりにやばすぎる。いろいろなものがガラガラと音を立てて崩れ落ちて行くのをただ呆然と眺めているような感覚がある。

 

でもだからこそ、今回えいやっとフランス行きを後押しした。

我が家の経済も全然楽ではない、その上コロナ禍。ヨーロッパにも色々あるし、アジア人ヘイトも心配だし、世界のどこにも単純なパラダイスなどない。

けれど今、子供たちにとって、日本以外に選択肢を持たないのは、あまりにリスキーすぎる。

この国は、タイタニック号さながらの勢いで急速に沈み続けている。戦略的にソフトランディングする知性も見られず、痛ましいバーンアウトの未来は目前に迫っている。

まずはその受け入れがたい現実を現実として受け止めなくては。

 

だから我が家では学習塾も修学旅行もパスして、かわいい子には旅をさせよ、という方針。本人がやりたいこと、サポートしてあげられることは可能な限りやってあげたい。でも、あんまり余力はない。あとは自分で切り開け、という気持ち。