続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「弱くて強い女たち」「ソフィア・ローレンだったなら」

「弱くて強い女たち」

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2020年台湾/原題:孤味 Little Big Women/監督:シュー・チェンチエ/124分

 ★★★★★★★★☆☆(8/10)

冒頭から撮影が美しくて、見ているだけで目に心地良い映画。赤を意識的に差し色にしたグレーな青みの強い色彩のトーン。小津の好きな監督やカメラマンは世界中にいて、私は小津作品には特に熱心ではないのに、彼の影響を色濃く受けている作品はどの国の作品でもだいたい好きである。

さりげないけど気の利いた音楽も素敵。ロケーションにもすごくこだわっていてムードが良いから、ただ歩いている後ろ姿だけでも見ていられた。

 

台南でレストランを経営する、老境に差し掛かった母親と三姉妹の家族のもとに、ある日、長年不在だった父親が死んで家に戻ってくる。

 

母娘の世代間のジェネレーションギャップや、個々の屈託、それぞれの人生を生きていくやるせなさを描いているが、なんというか、淡さが特徴的だなと思う。

台湾映画には「ひとつの太陽」など、シビアな家族映画もあるけれど、さらりとした味わいの佳品が多い印象で、あんまりどろどろしたところに好んでフォーカスしない美学みたいなものを感じる。その物静かな優しさも好ましい。

 

ソフィア・ローレンだったなら」

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2021年アメリカ/原題:What Would Sophia Loren Do?/監督:ロス・カウフマン/32分

★★★★★★☆☆☆☆(6/10)

アメリカ生まれのイタリア移民2世のナンシーは、アメリカで暮らしながらも濃いイタリア人コミュニティーの中で生まれ育った女性。

長年にわたりソフィア・ローレンの映画の大ファンで、自分の人生で何か問題が起こるたびに「ソフィア・ローレンだったらどうするかしら?」と考えて対処してきた。

ひょんなことから、ナンシーの息子の一人がソフィア・ローレンと仕事で関わることになり、なんとか母とソフィアを引き合わせたいと考えたことがきっかけで生まれたショートムービー。

 

かたやアメリカの一般人主婦、かたや往年の大スター。共にもうおばあさんという年代になっている。

同世代の彼女たちの人生に重ね合わせるように二人が交互に人生を語っていく中で、環境は大きく違ってもイタリア人女性としてのアイデンティティーを持って生きているという共通した芯のようなものが立ち現れてくる。イタリア女として生きる喜びやしんどさ、倫理観というものが共通している。

大スターなのに、貧しい出自で生活のために芸能界に入ったソフィア・ローレン氏は、浮ついたところが全然ない格好いい女性。この作品を見て、彼女の代表作の「ふたりの女」はぜひ見てみたいと思った。

 

大きく違う人生を送ってきた二人が、今ではどこか互いを同志のように思って、笑顔で抱き合うことができる。そういう女性同士の連帯っていいものだ。

 

わたしの学生時代の親友も、わたしとは随分違った人生を送っていて、たまに会えば嬉しいけれど、やっぱり今は関心事は大きく違う。けれど、もっと歳をとったらきっと同じ女を生きてきた同士にまた戻れるような気がしている。

お互い、大変だったけどまあ生き抜いたよね〜と言い合える日が今から楽しみである。