続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

最近見た映像作品いろいろ

「スイッチ」

2020年/監督:月川翔/脚本:坂元裕二

★★★★★★★☆☆☆(7/10)

今年の6月に地上波で放送された2時間のスペシャルドラマを再放送で視聴。

坂元裕二の脚本は、いつもとても言語化しにくい微妙なところを突いてくるのが素晴らしい。ああ、その視点は見落としていたよ、と目を開かされる感覚がある。

本作はわりに大雑把で、コメディに振り切った作りだった。

胸がずきっとするような人間の嫌らしさを垣間見せる、けれどほろ苦いが優しく人間を見ている。

 

「ONE OF US」

Movie Review: One of Us – Ahnita

2017年アメリカ/原題:One of Us/監督:ハイディ・ユーイング、レイチェル・グレイディ/95分

★★★★★★☆☆☆☆(6/10)

「アンオーソドックス」を見て、ハシディズムのことをもっと知りたくなって見た作品。これは・・・相当問題のある集団だと言わざるを得ない。カルトと言って差し支えないレベル。日本社会も同調圧力の社会だけれど、ハシディズムの同調圧力のかたまりみたいな、同調圧力を煮詰めたみたいな狭苦しいコミュニティーの息苦しさは相当なものだった。見ているだけで気が滅入った。

でもこの歪みは、人間が持つある種普遍的な闇の傾向が極まったひとつのかたちであることは認めざるを得ない。うっすらとした既視感があるからこそ、戦慄するのだ。

これもまた人間の本性なんだということを踏まえておかねばならないと思う。

 

「ベビー・シッターズ・クラブ」

ベビーシッターズクラブ【Netflix】ネタバレ有と無のあらすじと感想|napiトピ

2020年アメリカ/原題:The baby sitters club/製作:レイチェル・シューカート/1シーズン10話 各話約22分

★★★★★★★☆☆☆(7/10)

赤ちゃん抱っこしながら、おっちんと一緒に最近見てるシリーズ。

中学生の女の子たちがベビーシッターをするグループを立ち上げて活動する物語。現代アメリカらしい多様な背景をそれぞれに持った可愛らしい女の子たちの奮闘ぶり、爽やかで心が暖かくなる。みんな優しく賢い素敵な子たちで。

大人と子供のはざまにある中学生がベビーシッターとして双方に関わるという絶妙な立ち位置がすごく良くて、女の子たち自身もシッターをすることを通じて大人の世界を見、大人の苦労もしょうもなさも見、子供の表現できない思いを代弁し、自立し成長していく様がいい。

 

「Death to 2020」

Death to 2020 (2020) - IMDb

2020年/アメリカ・イギリス/原題:Death to 2020/監督:アル・キャンベル、アリス・マティアス/70分/2020年12月27日〜Netflix配信

★★★★★★☆☆☆☆(6/10)

特筆すべき2020年を現実のアーカイブ映像で振り返りながら、どぎつい風刺に満ちた架空の人物のインタビューを織り交ぜて見せる、コメディ作品。

トランプが大統領になって以降のアメリカは、人間の愚かさを撒き散らし、信頼も権威も地に堕ちるところまで行ってしまって、もはや笑い飛ばすしかないという勢い。

やりすぎ感漂う、悪趣味と言ってよいほどの演出には、こういうコメディスタイルに慣れない日本人としてはいささか戸惑ってしまうのだけど、何人かの俳優が演じた「現代を象徴する各種一般人」のインタビュー、今の世界の病をシニカルな笑いに包んで浮き彫りにしており、ううむとうなった。ユーチューバー、IT長者、サッカーママといった「普通の人々」の怖さ、この極まり感というか、分かり合えなさをどうすればいいんだろうと途方にくれる思い。

 

日本もこういうのやればいいのに。どういう形であれ、振り返って検証する作業は必要なはず。トランプばりのその場しのぎの言葉をまくしたてている人たちの姿を誰かが白日のもとに晒すべき。なんの演出せずとも、相当なコメディになるだろう。