続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「パラサイト 半地下の家族」

連休中日も、手持ち無沙汰な日曜日。明日は一日仕事の予定なので、今日は体力温存。

家にじっと引きこもって静かに過ごそう。

 

おっちんが通うかもしれない市のフリースクール、面談予約を入れるも半月先まで予約がいっぱいだった。ひえー。

あと半月家で宙ぶらりんはめんどくさいなあ。

 

ま、単純計算で市内だけで不登校が300人とかいると考えると、それもありうるのか。それにしても、付け焼き刃でやってていいボリュームではもはやないよな、不登校対策。

 

子供たちに限らず、世代を問わず既存の社会的枠組みがフィットしない/見捨てられたりこぼれ落ちた層がどんどん増加している。

対策に関しては、当事者が必要にかられて自力で立ち上げるか、公的機関はあんまりそこ見たくないなあという風情で暫定的な対応をしている状況が多そうだ。

でも、彼らを「いないもの」とするのはいよいよ無理になってくるだろう。何しろ、この国には中高年の引きこもりが61万人もいるのだから。

 

 

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2019年韓国/原題:Parasite/ポン・ジュノ監督/132分/日本公開2019年12月27日〜

 

世界中の作家が、現代の貧困をいろんな形で切り取ってすごい作品を作っている昨今。

この作品もその系譜に連なる堂々たる作品だと思う。

 

正月早々いかにも韓国映画らしい、ジャンルぶっとばして全部のっけ盛りみたいなエネルギッシュなエンタメ精神の作品を堪能したという気持ち。

 

これだけユニバーサルな今の貧困のひりひりするような現実を描きながら、同時に韓国固有のニュアンスも面白く、これは世界中でウケるだろうな、と納得。

 

地上/地下で富裕層と貧困層を視覚的に端的に表現しているモチーフからも、どうしてもジョーダン・ピールを思い浮かべるのだけれど、彼らが共にコメディの人でありホラーの人であるところも共通していて面白い。

秀逸なアイデア、笑いと恐怖を駆使した絶妙な緩急とメリハリでもって、めくるめくのめり込むように見せる。怒濤のエンターテナーなんだよなあ。

 

これまで見て来たポン・ジュノの作品って正直それほど好みではなかった。でも、面白く安っちい独特の雰囲気には妙に引きつけられるんだよなあと思っていた。

あの変さの源がよく分からない。何なのだろう?

ある種のベタさってことはあると思う。

本作もやっぱり高尚でないその変な個性が作品の面白さに繋がっていてわくわくした。

 

プロットが全てというところがあるので内容を書くのは控えるが、誰が見ても普通にエンタメとして楽しめるし、五感を駆使した圧倒的なインパクトで現代の貧困のかたちを可視化したかったという作り手の目論みは見事に成功していると思う。

 

ただ、すごくインパクトのある面白い見せ方と思うと同時に、人物の心理に関してはしびれるような心の機微とまではいかなかった感。それゆえ主人公の突き抜けた行動に小さな違和を感じたのと、細かい整合性がインド映画的にスルーされている雑さに関しては「それはそれでいいんだよね」と思いつつ見た。

全部なきゃいけないわけでは全然なく、あくまで個人的な好みとして感じたのみ。

 

 

それでも、何はともあれこのパワーには、誰もがただただ、うっわーーー・・・・と思うだろう。

あっぱれなたくましさ、身もふたもないみじめさや不潔さ、どん詰まりのループにはまり込んで生きる無力感。

 

貧困を生きる人々、彼らに重なる自分自身の姿をありありと体感させられて、面白がって見ながらも、何とも言えないいたたまれない居心地の悪い気持ちにもさせられた。