ぐっと冷え込んだり、急に暖かくなったり、風がびゅうびゅう吹いたり、天気に振り回されるこの頃。
赤ん坊の体温調節が難しく、時々少し鼻水が出ている。暑がりなので余分に着せるとひどくむずがるが、薄着だとふとした時に触った手足がきんきんに冷たくなっていたりしてひやりとする。
機嫌もそうだし、いつでも赤ん坊の様子を観察する暮らし。まだ意思を伝えられないから、表情や身体の動きや状態などを五感で感じながら試行錯誤するの繰り返し。目に見える作業量は少ないのだが、心をすごく使っているという感覚がある。毎晩「今日もやりきった」という感じで眠りについている気がする。
赤ん坊は、判断が間違えば身をのけぞらせて泣くし、合っていればやっと分かったか、と言わんばかりに「ふー!」と言う。すごく分かりやすく反応するから、単純に面白いし、「察する」というような受け身のコミュニケーションが元来苦手な人間なので、毎日鍛えられるなあと思う。
中2の娘、おっちんもどんどん子育てスキルをあげてきている。自分のやり方をゴリ押ししようとしても抵抗が大きすぎて効率があまりにも悪いから、観念して委ねる、よく観察するということがみるみる身についてきている。
学校の勉強はしてないが、これも立派な成長だなあと見ていて感じる。
私自身は、年齢を重ねて欲が減っているから、以前の子育ての時よりも自分がどうしたい、を脇に置くことがずっと容易になっている。落ち着いた構えで赤ん坊に向き合えて、赤ん坊がいることを楽しみ、心地よさそうにしているさまを見ていると、自分も深く満たされる感覚がある。
若い時の子育てでは、赤ん坊の不規則的な睡眠に振り回されて、自分のしたいことが何もできないと感じていて、なんとか自分のやり方でねじ込もうとしていた。
今よりもだいぶいらいらしていたなあと思う。もちろん今もいらいらすることはあるけれど、随分少ない気がする。
最近の赤ん坊は日々存在の輪郭がくっきりとしてくるなあという感じだ。
全身の筋肉が鍛わってきて、うつ伏せでしっかり顔を高くあげてきょろきょろと周囲を観察している。
おもちゃに興味を示すようになってきた。いろんなものに触ろうとし、口に入れようとする。歯ぐきでがじがじと噛む。
指先の力が強くなっただけでなく、腕を大きく上下に動かせるようになったので、お風呂に入れると水の表面をぱしゃんぱしゃんと叩いている。
身の回りのものを一つ一つ検分している。世界への冒険が始まったんだなあと思う。
天井の梁から吊るす赤ちゃん用の運動器具(baby jumper)がお気に入りで、これのおかげで下半身が相当鍛えられて足の力は強い。けれど上半身はそれほどでもないから、はいはいで腕を前に出して体を支えることがまだできない。
結局肘立て伏せのような格好で下半身をぴーんと浮かせて突っ張らせて、ウンウン唸ったまま動けず、しまいには泣き出す。
用意している落下防止用の柵や、歩行器の出番ももう間近。本当に目まぐるしくステージが変わっていく。あまりの早さに毎日驚きっぱなしだし、生命力の強さにはおののくほど。子供って、なんて勢いよく育っていくことだろう。
本格的に動き出す前に一度リビングを大掃除して、いつも綿埃の床をきれいに掃除しなくちゃだ。